新潟市文化・歴史・スポーツ文化政策課ふるさとへ贈る手紙>第5回受賞者発表

新潟市ふるさとへ贈る手紙

第5回受賞者発表

第5回目は、全国39都道府県,海外3カ国からご応募いただきました。
最年少は10歳、最年長は91歳という幅広い年代の方々がそれぞれの想いを綴った「ふるさとへ贈る手紙」。
応募総数264通の中から最優秀賞1点、 優秀賞2点、 奨励賞10点が決定いたしました。
受賞者の方々をご紹介いたします(敬称略)。年齢は、応募時(9月30日現在)です。

最優秀賞
三十年目の千羽鶴 山口 みあき (48) 山口県下関市
優秀賞
ありがとう、カボチャ電車 桜沢 藍 (28) 新潟市南区
いい所だっぺ 小田部 早苗 (37) 茨城県守谷市
奨励賞
非常感謝 山田 光子 (49) 東京都杉並区
今まで出会ってきた本達へ 野澤 恵梨子 (20) 静岡県浜松市
私のルーツ 宇藤 真由美 (69) 大分県大分市
私の原点 二瓶 有加 (25) 東京都府中市
心に生きる学びのふるさと
−聴覚障害児と中学生の交流から−
丹羽 辰夫 (83) 愛知県豊田市
私の育った新潟島 高橋 香子 (71) 新潟市西区
大きな古い青い屋根の家 本山 実里 (22) 千葉県千葉市
福島チルドレン 反畑 紫穂 (21) 千葉県市川市
嫁ぐ人へ 平井 美恵 (38) 新潟市北区
雪の一本道 佐々木 勝夫 (67) 山形県鶴岡市

表彰式・記念イベントについて

第5回「ふるさとへ贈る手紙」の表彰式・記念イベントを開催します。
詳しくはこちら(pdf1,703KB)

昨年の表彰式・記念イベントの様子はこちら


第5回審査講評

新井 満 氏

 毎年同じ感想をもつのですが、今年は去年よりもまたまたレベルアップしたなぁと。粒がそろってきたというか、大変水準が上がったような気がします。文章もしっかりしてきたし、優秀作品がたくさんそろった選考だったと思います。
 選考の基準は、2つあります。一つ目はまず、オリジナリティがあるかどうか。人まねではない、独自のオリジナリティ、即ち独創性ですね。どんな芸術表現もオリジナリティがなければ話が始まらない。まず独創性があるかどうかというのがポイント。
 二つ目は、やはり、感動があるかどうか。このオリジナリティと感動ですね。この2つでもって私は選考いたしました。
 今回のコンクールは、作品を読んでいて、何度も涙ぐんだことがありました。今まででは一番そういう機会が多かったような気がいたします。それだけ力作が集まったせいじゃないでしょうか。
 そして毎回私が楽しみにしてるのは、ふるさとの定義はどうなってるんだろうということです。ふるさとというと、ふるさとの『山』や『川』ということになるんですけれども、このコンクールのユニークなところは、ふるさとはそういう場所だけじゃなくて、いろんなものをふるさとにしてるってところが、おもしろいんですよ。ふるさととは何かっていう定義が、今年もまた広がったような気がいたします。たとえば、それは『千羽鶴』であったり、『チンチン電車』であったり、『田舎の運動会』であったり、あるいは『話し言葉の方言』であったり。要するに、「自分にとって一番大切なものは何か」、「自分にとっての宝物は何か」というところまでふるさとの定義が広がっているような気がいたします。
それから、前回を60通以上上回る264作品の応募があった。これは今までで最多応募数になりますけれども、これにはちょっと感動いたしますね。なぜだろうと私なりに考えてみました。ひとつの理由は、やはり、3・11の大震災ではなかろうかと。あるいは、大津波ではなかろうか、あるいは原発事故ではなかろうかと。その後にもですね、東北地方以外にも、全国で台風による洪水がありました。この大きな災害で何が起こったかというと、ふるさとを失った人が大量に生まれてしまったということです。つまり今年は、一言で言いますと、「ふるさと喪失の一年」でした。
災害のない時は、ふるさとがそこにあるのは当然で、当たり前のようにふるさとは平和にあったんですけれども、その当たり前のふるさとが当たり前でなくなった年が今年なわけです。それまではありがたさなんかほとんど感じていなかった人間が、ふるさとを喪失して初めてしみじみ実感したんでしょう。「あぁ、ふるさとがあるってことはありがたいもんだなぁ」と。ですから失って初めて分かったふるさとのありがたさということですね。そういう作品がとても多かった。それも今年の特徴であります。
最後に、一言申し上げますと、「いつまでもあると思うな親とふるさと」。といったところでしょうか。

星野 知子 氏

 2011年は私たち日本人にとって「命」「絆」「家族」そして「ふるさと」の大切さをかみしめる年となりました。
 きっと作文を書く人も、そして読む人も、大震災の起きた3月11日以前とは感覚が違っているのではないでしょうか。審査する私はいつもよりずっと心が波立っていました。
 あたりまえの日常、帰ればいつもあるふるさと。それはかけがえのないもので、時にはもろくもあるんですよね。
 最優秀賞「30年目の千羽鶴」は、まるでドラマになるような話を押さえた文章で語り、それがかえって感動的でした。戦没慰霊碑に新しく刻まれた名前を見つけたところを読んだとき、私も涙が出てきました。そして今も毎年鶴を折り続けているという持続した時間。長い年月の重みと人の思いの深さに感銘を受けました。
 優秀賞「いいところだっぺ」は、とにかくリズムの良い文章と明るさで読ませてくれました。田舎から都会に出て暮らし始めた人には「わかる、わかる」という楽しいものです。私も段ボールのくだりには、同じことがあったなあと思い出しました。ウフフと笑いながら、読み終わった後にキュンと心があたたまる。大好きな作文です。
 「ありがとうカボチャ電車」の桜沢さんは28歳。電車に郷愁を感じるなんて40代以上の方かと思ったら、意外に若いのでびっくりしました。幼い子どもの目で見た車窓からの景色や、音、風、におい。どれもが生き生きと読む人に伝わってきて、カボチャ電車を知らない私も「一回乗ってみたかったなあ」と思うほどです。思い出の中にしかないからこその大切なふるさとですね。
 他の作文も、それぞれの人生がにじみ出ていておもしろく読ませていただきました。

 ふるさとってありがたいですね!



第5回「ふるさとへ贈る手紙」
表彰式・記念イベント

平成24年1月20日(金)に、りゅーとぴあ劇場において、第5回「ふるさとへ贈る手紙」表彰式・記念イベントを開催いたしました。市内外より約400名の方々にご来場いただきました。

敬和学園高等学校混声合唱部の皆さんによる新潟市民歌「砂浜で」の合唱で幕を開けました。

敬和学園高等学校混声合唱部の皆さんによる新潟市民歌「砂浜で」の合唱で幕を開けました。

表彰式では、参加いただいた受賞者一人ひとりに篠田昭新潟市長が賞状と目録を手渡しました。

表彰式では、参加いただいた受賞者一人ひとりに篠田昭新潟市長が賞状と目録を手渡しました。

最終審査員の新井満さん、星野知子さんより審査講評をいただきました。深く心を動かされる力作が多かったこと、東日本大震災を経て、当たり前に思っていたふるさとのありがたさを表現した作品が多かったとの講評をいただきました。

最終審査員の新井満さん、星野知子さんより審査講評をいただきました。深く心を動かされる力作が多かったこと、東日本大震災を経て、当たり前に思っていたふるさとのありがたさを表現した作品が多かったとの講評をいただきました。

上位3賞を受賞された方々にお話を伺いました。(写真左は優秀賞の小田部早苗さん)

上位3賞を受賞された方々にお話を伺いました。(写真左は優秀賞の小田部早苗さん)

優秀賞の小田部早苗さんの作品「いい所だっぺ」は、一次審査員を務めていただいた池主透子さんに朗読していただきました。

優秀賞の小田部早苗さんの作品「いい所だっぺ」は、一次審査員を務めていただいた池主透子さんに朗読していただきました。

新井満さんによる優秀賞「ありがとう、カボチャ電車」の朗読。情感溢れる語り口と巧みな演出で会場全体が引き込まれました。

新井満さんによる優秀賞「ありがとう、カボチャ電車」の朗読。情感溢れる語り口と巧みな演出で会場全体が引き込まれました。

優秀賞の桜沢藍さん(写真右から2人目)。ゲストの黒井健さんと、懐かしい電鉄の思い出話で盛り上がりました。

優秀賞の桜沢藍さん(写真右から2人目)。ゲストの黒井健さんと、懐かしい電鉄の思い出話で盛り上がりました。

最優秀賞の山口みあきさん(写真左)には、作品にも出てきた「雌の折り鶴」をご持参いただきました。

最優秀賞の山口みあきさん(写真左)には、作品にも出てきた「雌の折り鶴」をご持参いただきました。

星野知子さんによる最優秀賞「三十年目の千羽鶴」の朗読。感動的な作品を静かにそして力強く読み上げてくださいました。

星野知子さんによる最優秀賞「三十年目の千羽鶴」の朗読。感動的な作品を静かにそして力強く読み上げてくださいました。

最後に、ゲストの皆さんより総括をいただきました。過去最高の応募数となった今回、ふるさとのありがたみ、温かさを会場の皆さんと共有する感動的なステージとなりました。

最後に、ゲストの皆さんより総括をいただきました。過去最高の応募数となった今回、ふるさとのありがたみ、温かさを会場の皆さんと共有する感動的なステージとなりました。

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