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最終更新日:平成24年5月7日 |
―新潟州検討委のご努力に感謝
実践に向け「推進本部」設置へ―
昨年7月にスタートした「新潟州構想検討委員会」が当面の議論を終えられ、5月1日の検討委で「新潟州構想検討報告書」をおまとめいただきました。この日、泉田知事とともに座長の北川正恭・早稲田大学大学院教授から報告書の趣旨をご説明いただきました。委員の皆さまの10カ月余のご苦労と献身的取り組みに深く感謝いたします。
大きな変化を引き出す
「新潟州構想」は昨年1月、泉田知事と私が新潟市役所で会見して構想を発表しました。構想を打ち上げた背景には地域主権を「1丁目1番地政策」とした民主党政権の下でも地域自治の大きな前進が見られなかったことや、政令市市長会が実現を要望していた「特別自治市」制度が広域自治体である府県との役割分担を考えておらず、多くの問題点・課題があったこと、などがありました。
「民主党政権で地域主権が前進しなければ、道州制に名を借りた府県合併が急浮上する恐れがある。権限移譲を伴わない府県合併は、新潟にとって最悪のシナリオ」と思っていた私の気持ちと、泉田知事の考えがかなり近かったことから新しい旗を新潟で立てることにしました。
当初は「広域自治体と政令市の司令塔を一つにする県と市の合併」との言い方をさせてもらいましたので、かなりのインパクトと反発がありました。一方で大阪都や中京都構想に加えて、「普通の地方」である新潟から州構想を提起したことは全国的にも波紋を呼びました。
手前味噌かもしれませんが、国の地方制度調査会(地制調)が大都市制度をテーマに取り上げたことや、府県からいわば独立する「特別自治市」一本やりだった政令市市長会が「多様な大都市制度」に舵を切ったことなど、「新潟州構想」の与えた影響は小さくなかったと思います。
一方で爆発的な勢いをもった大阪都構想が国政に風穴を開け、各政党が法改正に競って動くなど、予期以上のスピードで都構想が進んでいます。「大阪維新の会」が提起した道州制も反響を呼び、政党や自治体でも道州制にかつてないほどの関心が集まっています。
新潟は、自らがつくり出した地域自治改革のウエーブを活かし、新潟にふさわしい新しい地域自治を実現させる大きな好機を迎えています。
二元・二重行政の弊害を除去
構想検討委ではこれまで、「権限移譲を伴わない府県合併は住民自治が遠くなること」、「広域自治体との役割分担をおろそかにしたまま特別自治市を創設することは県民・市民にデメリットが大きいこと」―など、私たちの問題意識を共有いただきました。
また、地制調の議論で大都市制度改革が現実のものなってきた状況を踏まえ、「県・市の合併という大改革よりも、まず実現可能な方向で県と政令市の新しい役割分担を考えるべき」との方向を北川座長からお示しいただきました。
これを受けて「県と政令市の二元行政・二重行政の弊害を除去して実績を積み上げ、国に対し問題提起をしていく」、「県と政令市の役割分担を明確にし、できるところは司令塔を1つにして県民・市民にメリット出していく」ことを大きな方向として議論をお進めいただきました。
日程を前倒しで報告書を提出
さらに当初の日程を前倒しで報告書をまとめていただきました。1日には各委員からも「県と市がベクトルを合わせ、住民のためになる実践に全力を」「スピード感を持った実践で、新潟州の方向を分かりやすく示してほしい」―などのご意見をいただきました。「新潟市以外の市町村にも理解を得るように」、「推進本部が役人中心になることに不安もある。問題点の把握で終わらずに、問題克服に努めてほしい」などのご指摘もありました。
委員の中には「新潟州の形が示されないのはおかしい」との意見もありましたが、私はいま情勢が大きく動いている中で検討委での議論を前倒しで終結し、「県民・市民にメリットが出る実践に注力せよ」との方向をお示しいただいたことは大変にありがたいことと感じています。
推進本部を設置し、実践に全力
今後は報告書や委員のご指摘を踏まえ、早期に県と市で「新潟州構想推進本部」(仮称)を立ち上げていきます。検討委で整理いただいた4つの課題分野のうち「安全・安心な地域づくり」と「住民に身近な施策の展開」については既に6つのテーマで県と市の担当者で議論が始まっています。この2分野ではさらにテーマを追加していきます。一方では未着手の「拠点性の向上」「成長戦略の強化」分野での検討をどう進めるかが大きな課題となります。県と早急に協議し、「構想推進本部」の取り組みを充実させていきます。
「新潟モデル」を実現
このように広域自治体である県と、基礎自治体で最も力のある政令市が、既存の枠組みにとらわれず、多くの具体テーマを検討することの意味は大変に大きいと感じています。具体テーマを協議することで、現在の地方自治制度の問題点もさらに見えてくるでしょう。県・市の調整で済むものもあれば、抜本的な制度改革が必要なものも出てくるはずです。
「役人の議論で終わらないように」との検討委員からのご指摘は重いものがあります。知事と私が最終責任を持つことは当然ですし、未来志向の意見をいただけるように複数の専門家からアドバイスをいただけるようにし、オープンな議論の場としていきたいと思います。
国と地方で定期的な協議の場ができたように、「新潟州構想推進本部を、いずれは『地方版の協議の場』という位置づけへ」とのご指摘を報告書でいただきました。推進本部を有効に機能させ、県民・市民にメリットが出る取り組みを進めます。具体的協議から実績を積み上げ、説得力をもって制度改革を国に求め、新しい地方自治制度を「新潟モデル」として実現させていきます。
2012年5月7日
新潟市長 篠田 昭
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