○新潟市環境基本条例

平成8年7月2日

条例第20号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 環境の保全に関する基本的施策

第1節 施策の基本方針(第8条)

第2節 環境基本計画(第9条)

第3節 環境の保全に関する基本施策(第10条―第20条)

第4節 環境の保全等に関する協力(第21条・第22条)

第5節 推進体制の整備(第23条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,環境の保全について,基本理念を定め,並びに市,事業者及び市民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境の保全 大気,水,土壌,生物その他の環境の自然的構成要素及び文化財,歴史的建造物その他の環境の文化的構成要素並びにそれらにより構成される生態系,景観その他の相互作用に着目し,その保護及び整備を図ることによって,これを良好な状態に維持し,又は形成することをいう。

(2) 環境の保全上の支障 公害その他の人の健康若しくは生活環境に係る被害が生ずること,又は広く公共のために確保されることが不可欠な自然環境が適正に保全されないことをいう。

(3) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって,環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(4) 公害 環境の保全上の支障のうち,事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。),土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって,人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(5) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行,海洋の汚染,野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって,人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は,現在及び将来の市民が良好な環境の下で健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに,健全で恵み豊かな環境を将来の世代に引き継ぐことができるよう維持し,又は形成する責務を担っていることを共通の認識として,適切に行われなければならない。

2 環境の保全は,自然と人間との共生の下で,生産,消費等の社会経済活動その他の活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動が,すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われることによって,環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会が構築されるよう適切に行われなければならない。

3 地球環境保全は,人類共通の課題であるとともに市民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上で重要な課題であることを共通の認識として,積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は,前条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し,及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)

第5条 事業者は,基本理念にのっとり,事業活動を行うにあたっては,これに伴う公害その他の環境の保全上の支障を防止するため,必要な措置を講ずる責務を有する。

2 前項に定めるもののほか,事業者は,基本理念にのっとり,その事業活動に関し,これに伴う環境への負荷の低減その他の環境の保全に自ら積極的に努めるとともに,市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は,基本理念にのっとり,環境の保全上の支障を防止するため,その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか,市民は,基本理念にのっとり,環境の保全に自ら努めるとともに,市が実施する環境の保全に関する施策に参画し,協力する責務を有する。

(年次報告)

第7条 市長は,環境の状況及び環境の保全に関する施策の実施状況等について,年次報告書を作成し,これを公表するものとする。

第2章 環境の保全に関する基本的施策

第1節 施策の基本方針

第8条 この章に定める環境の保全に関する施策の策定及び実施は,基本理念にのっとり,次に掲げる基本方針に基づき,各種の施策相互の有機的な連携を図るとともに,総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 大気,水,土壌,生物等の自然を構成する要素を将来にわたって良好な状態に保持することにより,健全で恵み豊かな環境を維持し,又は形成すること。

(2) 生態系の多様性の確保及び希少な野生動植物の保護並びに樹林地,農地,水辺地等によって構成される多様な自然環境の適切な保全を図ることにより,自然と人間とが共生する豊かな環境を確保すること,及び人と自然との豊かなふれあいを確保すること。

(3) 潤いと安らぎのある都市空間の形成,地域の個性を活かした美しい景観の形成並びに文化財その他の歴史的遺産等の保全及び活用を図り,個性豊かで文化の薫る快適な環境を創造すること。

(4) 科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防止されるよう努めること。

(5) 廃棄物の発生の抑制及び適正な処理,資源及びエネルギーの消費の抑制並びにこれらの循環的な利用等を促進し,環境への負荷の少ない循環を基調とする社会の構築を図ること。

第2節 環境基本計画

第9条 市長は,環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,環境基本計画を定めなければならない。

2 環境基本計画は,次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する長期的な目標

(2) 環境の保全に関する施策の大綱

(3) 環境の保全に関する環境配慮のための指針

(4) 前3号に掲げるもののほか,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は,環境基本計画を定めるにあたっては,市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

4 市長は,環境基本計画を定めるにあたっては,あらかじめ新潟市環境審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は,環境基本計画を定めた場合は,遅滞なく,これを公表しなければならない。

6 前3項の規定は,環境基本計画の変更について準用する。

第3節 環境の保全に関する基本施策

(市の施策の策定等にあたっての配慮)

第10条 市は,環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し,及び実施するにあたっては,環境基本計画との整合を図るとともに環境の保全について配慮しなければならない。

(環境事前配慮の推進)

第11条 市は,環境に影響を及ぼすおそれのある事業を行う事業者があらかじめその事業に係る環境の保全について適正に配慮するよう必要な措置を講ずるものとする。

(環境の保全上の支障を防止するための措置)

第12条 市は,公害を防止するため,公害の原因となる行為に関し,必要な規制の措置を講じなければならない。

2 前項に定めるもののほか,市は,人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため,必要な規制の措置を講ずるよう努めなければならない。

第13条 市は,事業者又は市民がその行為に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置を取ることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため,その者の経済的状況を勘案しつつ必要かつ適切な経済的助成を行うために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(循環を基調とした社会資本の整備等)

第14条 市は,環境への負荷の少ない循環を基調とする社会を構築するため,市が自ら実施し,又は直接かかわる都市施設及び市街地開発事業その他の公共的事業に関し,効率的な物流,資源の循環的な利用,エネルギーの有効利用及び適正な水循環等が促進されるよう総合的かつ計画的な整備に努めなければならない。

2 市は,環境への負荷の少ない循環を基調とする社会の構築を促進するため,市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施にあたって,資源の循環的な利用,エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量に努めなければならない。

3 市は,環境への負荷の少ない循環を基調とする社会の構築を促進するため,事業者及び市民による資源の循環的な利用,エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(自然環境の保全と健全な利用の促進)

第15条 市は,自然環境の保全を総合的に推進するため,樹林地,水辺地等の多様な自然環境の保全を図るとともにそれらを核とした生物生息空間等の有機的な連携の確保を旨として,公園,緑地その他の公共的施設の整備及び健全な利用の促進を図らなければならない。

2 市は,農地及び未利用地その他の民有地における自然環境の保全及びそれらの健全な利用を推進するため,土地所有者の環境の保全に関する自主的な取組が促進されるよう技術的支援その他の必要な措置を講ずるものとする。

(環境教育等の推進)

第16条 市は,環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に関する広報活動の充実により市民及び事業者が環境の保全についての理解を深めるとともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため,必要な措置を講ずるものとする。

(自主的活動の支援)

第17条 市は,市民,事業者又はこれらの者が組織する民間の団体が自発的に行う緑化活動,再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(環境状況の把握等)

第18条 市は,環境の状況を把握し,及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な情報の収集,調査及び研究の実施に努めるものとする。

2 市は,環境の状況を把握し,及び環境の保全に関する施策を適正に実施するために必要な監視,観測等の体制の整備に努めるものとする。

(情報の提供)

第19条 市は,環境の保全に資するため,新潟市情報公開条例(昭和61年新潟市条例第43号)に基づき,環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するよう努めるものとする。

(財政措置)

第20条 市は,環境の保全に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第4節 環境の保全等に関する協力

(国及び他の地方公共団体との協力)

第21条 市は,環境の保全に係る広域的な取組を必要とする施策については,国及び他の地方公共団体と協力して推進するよう努めるものとする。

(国際協力)

第22条 市は,国等と連携し,又は市の実施する各種の国際交流を通して,環境の保全に関する情報の提供,技術の活用等により,環境の保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

第5節 推進体制の整備

第23条 市は,その機関相互の緊密な連携及び施策の調整を図り,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための体制を整備するものとする。

2 市は,市民,事業者及びこれらの者が組織する民間団体等との協働により,環境の保全に関する施策を積極的に推進するための体制を整備するよう努めるものとする。

附 則

この条例は,平成8年8月1日から施行する。

新潟市環境基本条例

平成8年7月2日 条例第20号

(平成8年7月2日施行)